こんにちは、ノギファイアです。
「ミニマリストって言葉は聞いたことあるけど、どういう人たちなの? なると何かいいことあるの?」
本記事を開いてくださった皆様は、こんな疑問をお持ちではないでしょうか?
私もそう思ったので、本書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』を手に取りました。
モノが少ない方が人生身軽で楽そう。 そんなことを思ったんですね。
そんな予感どおり、ミニマリストの良さを教えてくれる良書でしたので、本記事で解説したいと思います。
本書が答えてくれること
ミニマリストってなに?
ミニマリストになると何かいいことあるの?
モノを手放すにはどうしたらいいの?
本書は、ざっくりこの3つの疑問に答えてくれる本です。
著者の佐々木典士さんは、元々モノが溢れる汚部屋出身。
そこからご本人の感覚では95%のモノを処分したという、驚きの経歴の持ち主です。
そんな方が書かれた本なので、血の通った、非常に説得力のある内容になっています。
ミニマリストとは、必要最小限を持っている人
そもそも「ミニマリスト」とはどんな人なのか? 本書では、下記のように定義しています。
ミニマリストとは、 「本当に自分に必要なモノがわかっている人」 「大事なもののために減らす人」 だと、ぼくは考えている。
ミニマリストかどうかは、持ち物の数自体で決まるものではないと、本書は説きます。
ミニマリストというと、「布団とテーブル以外なにもない部屋」みたいなのを想像しがちですが、そうではありません。
必要と思うならテレビがあったっていいし、ベッドで寝たっていい。なんなら車だって持ってていいんです。
モノの数でミニマリストかどうかは決まらない。
なるほど、と思わされた定義です。
ミニマリストになると何を得られるのか
時間とお金
これは分かりやすいですね。
モノが少ないことで掃除や片付けの時間も減るし、余計なモノを買わないからお金だって貯まります。
すっきりした心
詳しくは後述しますが、モノが増えてしまうのは、結論「人の目が気になるから」です。
ファッションが分かりやすい例ですね。
常に流行を追って次から次へと服を買ってしまうのは、「流行に乗り遅れていると思われたくない」からです。
モノを必要最小限まで減らす過程で、そうした「他人の目線のためにあるモノ」を手放すことで、人の目を気にすることなく、本当に自分が欲しいと思ったモノを手に入れ、したいと思ったことができるようになります。
得た恩恵で何をするかは人それぞれ
時間もお金も取り戻して、心も整頓されて、ああ良かった!
でも、人生がそれで終わるわけではありません。
むしろそこからがスタート、身軽になった自分が何をするかが重要です。
著者も本書で以下のように述べています。
ミニマリズムは「序章」のようなもので、その後に続く「物語」はそれぞれが紡ぐしかない
ちなみに私は、ミニマリズムによってできた余裕で人に優しくしたり、ミニマリズムを伝えることで他人に優しくできる人を増やしていく活動をしたい、と考えています。
その点を詳しく知りたい、と思っていただけた方は、ぜひ当ブログについてのページをご覧ください。
モノが増えてしまうのは、自分の価値を示したいから
自分の価値を示さなければ死ぬ、そう思っている
本書では、このような考え方を提示しています。
「自分には価値がある」と思わずには、人は生きていられない
人は社会的動物で、群れで生活する生き物です。
群れの中で生きるためには、「自分には価値がある」ということを群れ≒他人に示さなければなりません。
そうした性質は現代を生きる我々にも根付いており、他人に自分がいかに有用で価値があるか伝えることに躍起になります。
いわゆる「承認欲求」ですね。
内面の価値を伝えるためにモノを使う
そこで重要になるのは、目には見えない「自分の内面の価値」をいかに伝えるかです。
外面の価値というのは、顔やスタイルといった文字どおりの外見で容易に示せます。
ただ、「優しさ」とか「真面目」といった内面の価値は、一見しては分かりません。 外見である程度察しがついたりはしますが、コワモテで険しい顔をした方が、その実親切で思いやりある人だったりするものです。
そこでモノの登場です。モノを使うことで、内面の価値を外に伝えやすくなるのです。
例えば、高級スーツや腕時計を見につけている人がいたら、
「この人はお金持ちなんだな。ということは仕事ができる人なんだな」
と誰しもが思うでしょう。
これとは逆の例ですが、私自身は婚活の際、
「真面目で、お金も無駄遣いしなさそうな人」
と見られるために、あえてシンプルで地味なファッションを心がけたりしました。
このように、所持品を工夫することで、どのような人間なのかを周りに簡単に伝えることができます。
だから我々は、生きていくのには不必要なモノまで買い集めるのです。
だが、モノには慣れるし飽きてしまう
すごく欲しくて手に入れたモノ。最初は使ったり飾ったりしていることに大いに喜びを感じていた。 でも、そのうちそれがあることが当たり前になって、何も感じなくなった。 それどころか、なんだか邪魔な気さえしてきた。
こんな経験を、誰しもしたことがあるのではないでしょうか。
本書では服で例えられています。
最初に袖を通した時は嬉しい。だが5回も着れば喜びも減る。 10回着る頃にはクローゼットに当たり前にあるモノとなり、50回目には「もう飽きた」となってしまうかもしれない。
人間の脳は刺激の「差」を検出します。 静かな部屋で寝ていたら物音で起きてしまう。 逆に、テレビが点いていても寝てしまい、消されると起きる。
上述したモノに「慣れ→飽きる」流れはこの脳の構造に起因しています。
では飽きたらどうなるのかというと、次の刺激を求めにいきます。 新しい服を買いに出かけるんですね。 そして慣れ、飽きる。 また新しい服を買う。
このサイクルを繰り返すことで、モノがどんどん増えていくのです。
モノが多すぎると、モノの奴隷になっていく
そうして増えてすぎたモノは、自分のお金や時間、エネルギーを奪っていきます。
モノを手に入れるためにお金を稼ぎ、維持・管理するために時間とエネルギーを捧げる。 まるでモノが主人で、自分はその奴隷になったかのようです。
モノは自分の価値を伝えるツール・道具でしかなかったはずなのに、いつの間にか立場が逆転してしまうのです。
モノを増やすスパイラルを止め、手放さなければ、この雇用関係を切ることはできません。
モノを手放すコツ55+15選
本書では、
- 捨てる方法最終リスト55!!
- さらに捨てたい人へ追加リスト15!! 「捨てたい病」への処方箋
として、計70もの「手放すコツ」が紹介されています。
その中から、私が「これは!」と思ったものを7つ、紹介します。
「今」捨てよう。捨てることがすべての始まり
「いつか、時間ができたら捨てよう」
残念ながら、その「いつか」は永遠に来ません。
時間ができたら捨てるのではなく、モノを捨てるから時間ができる。 順番が逆なのです。
いつ捨てるの? 今でしょ!
人の目線のためにあるモノは捨てる
こうする理由は、前述したとおり。
人の目線のためにあるモノは、いずれ自分を支配するようになります。
まずそれらを手放さなければいけません。
捨てづらいモノは写真を撮る
思い出があって捨てづらい、そういったモノは誰にでもあると思います。
ただその場合、重要なのは「思い出」であって「モノそのもの」ではありません。
写真を撮っておけば、モノは捨てても思い出を捨てることにはならないので、捨てやすくなります。
(撮ったとして見返すかどうかは、また別の話ですが……)
まず「収納という巣」を捨てる
「害虫を駆除する時に、虫1匹1匹を駆除したあと巣を撤去する人はいない」
なるほど! と目から鱗が落ちたコツです。
まず収納を捨てます。
すると当然、中のモノは溢れ出します。
そうすると邪魔だし見苦しいので、なんとかしようとします。
まずは収納を撤去することで、半ば強制的にモノを減らしていくことができるのです。
出張買い取りを利用する
特に家具などの大物を手放そうとすると、それだけで大変な手間がかかります。
手放す手間が嫌で手放せない……そんな状態になってしまっては意味がありません。
そこで、出張買い取りサービスの利用を本書ではおすすめされています。
梱包も、どこかに運び出すこともなく、業者の方に家に来てもらうだけで済むので、非常に楽です。
その分買い取り価格はその他の方法(メルカリで出品するなど)より下がりますが、目的はモノを手放すことなので、お金についてはこだわる必要はないと私は思います。
著者がよく使っているのは「高く売れるドットコム」とのことです。
(私も使う予定です)
元気でも「生前整理」をしてみる
悲しい想像ですが、自分に万が一があった時を想像してみましょう。
持ち物の大部分は、自分にしか価値が分からないモノではないでしょうか。
そうしたモノは、自分にとっては宝物でも、他の人にとってはガラクタで、自分に何かあれば即座に捨てられてしまうでしょう。
それを考慮し、万が一があっても迷惑がかからないよう「生前整理」をしてみる。
劇薬ですが、非常に効果のありそうなコツです。
「モノが少ない対決」をしない。持っている人を責めない
ハッとさせられたコツです。
ミニマリストを志していると、「モノが少ない自慢」をしがちになるといいます。
そして、モノを持っている人を責め始めてしまう。
私の中にもそんな気持ちが少し芽生え始めていたので、戒めとして紹介します。
前述したように、単にモノが少ないからミニマリスト、ではありません。
必要と思うモノは持っていていいし、自分から見て持ちすぎな人でも、その人が満足しているなら非難する必要は全くないのです。
幸せを感じるために
部屋を片付けても、幸福には10%しか影響しない
本書で紹介されている「ポジティブ心理学」の研究者、ソニア・リュボアスキー氏によると、人の幸福というものは、
- 50%が遺伝
- 10%が環境
- 40%が日々の行動
で形成されるそうです。
であれば、ミニマリストになって部屋がすっきりしたとしても、それは「環境」を変えただけですから、幸福にはほとんど影響しないということになります。
「えっ」と思いますよね。 ここまで散々ミニマリズムを推奨してきたのは何だったの、と。
もちろん、そこでは終わりません。
ミニマリズムで変わる日々の行動
ミニマリストになることによって、幸せの残り40%、「日々の行動」が変わったと筆者は述べています。
- モノを持たないことで時間ができ、毎日の生活を楽しめる
- 人と比べなくなったので、みじめな気持ちにならない
- 人の目線が気にならなくなったので、思い切った行動ができる
- 手元に残ったモノや環境に感謝できる
これら行動が変わり、幸せを感じることができるようになると、ミニマリズムによって幸福の半分を得られた、ということになります。
これはかなり希望が持てる話だな、と思いました。
まとめ
本書を一言でまとめると、
「生活にミニマリズムを取り入れ、幸せを感じられるようになろう」
だと思います。
ミニマリズムに興味を持った人に対し、その良さを存分に伝えられる良書だなと感じました。
本記事では紹介しきれなかった部分がまだまだあるので、ぜひお手にとってご一読いただくことをおすすめします。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。